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のはほとんどどこかに行ってしまっている。だから、どうも空回りしてしまっていて、特に中央志向的な会議になりますと、ロンドンがどうだとかニューヨークがどうだとか東京がどうだと、そればかりなんですね。そうすると、周りに何もない。これは何かすごく不公平感があるんではないかと思って、私は、過疎を調べたのですから、あくまでも過疎地域における公立施設、この辺のものをどこかで論議しなければいけないなと思います。
鈴木委員長 わかりました。
それでは、これからどうしたらいいのかというのがこの委員会の一つの眼目でございますので、それぞれにお感じになりましたことをまとめてお一人ずつお話しいただきたいんですが、井上さんからお願いいたします。
井上委員 文化・芸術を中心とした地域振興を考えた場合、文化は、狭義の文化と広義の文化があると思うんです。文化を狭義にとらえれば芸術に結びつくわけですけれど、もう少し広い意味で文化という概念をとらえると、それは例えば我々の衣食住に関連した中で、食に関連した食文化であるとか、住でいえば過疎地域における伝統的建造物とか町並みの保存であるとかいったことが当然のことながら関連してくる。最近では、自分たちの住んでいる地域の環境をどのようにしてさらによくしていくのか、あるいは保全していくのかといったような環境文化といったような概念も出てきているわけですね。地域振興というのは、いずれにしましても総合的なものですから、ただ芸術活動だけやっていればそれで地域が生き生きとしてくるということではないわけです。そういう地域全体としての総合性といいますか、一つの成果を次にどのように生かしていくのかというあたりが一つ大事なところではないかと思っています。
鈴木委員長 私もその説に賛成で、文化というものをもっと広くとろう。環境も文化だ、福祉も文化だと考えております。私は県立の文化会館を預かっていて、もっと広く県民文化という視点から考えまして、ある川沿いにとても素敵な道があったんですね。江戸時代、江戸の米相場をつくったのは肥後米なんですが、そこには肥後米を積み出していた跡がある。そこが草ぼうぼうだった。あそこを何とかしませんかと。地元の人も、そんなところ何処にありますかというくらいなんです。ところが、1年たちましたら、若い人たちがやって来まして、あそこは自分たちがやりますということになりまして、今そこの川の中に400メートルにわたってずっと菖蒲を植えまして、しかもそこに九州独特の石橋がかかっているんですね。それが一遍に生き返りまして、その川沿いの商店街が、町はずれに温泉が出たのでさびれてしまっていたのが、よみがえっているわけです。私、それも文化だと思うんです。
ですから、そういうものを総合的にリードしていくと、環境も当然文化だし、山の中に五輪の塔が100基ぐらい草ぼうぼうの中に倒れているところがあったのです。今、五輪の

 

 

 

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